英検(実用英語技能検定)は、日本で最も広く認知されている英語の資格試験です。年間400万人以上が受験し、高校・大学入試でも優遇措置があるため、「英検=英語力の証明」と考えるのは自然なことです。
しかし、英検で測られる力と、中学校の授業で求められる力は、実はかなり異なります。この違いを理解しておくことが、お子様の中学英語の成功につながります。
英検が測るもの・測らないもの
英検5級(中学1年レベル)を例に見てみましょう。
英検5級の出題形式
筆記試験(25分)はすべてマークシート方式(4択)です。穴埋め問題、語順整序、会話文の適切な応答選択、そして短い文章の読解。リスニング試験(約20分)は、イラストを見て適切な応答を選ぶ形式です。
つまり英検5級は、「正しい答えを4つの選択肢から選べるか」を測る試験です。自分でゼロから文を書く必要はありませんし、自分の言葉で話す必要もありません(5級・4級にはスピーキングテストはオプション)。
中学校の授業で求められるもの
一方、中学校の英語で日常的に求められるのは、もっと幅広い力です。
英検は「知識を持っているか」を確認する試験です。中学の授業は「知識を使えるか」が問われる場所です。この違いは小さいようで、実はとても大きい。
よくある3つのパターン
英検の合格・不合格と、授業での成功・苦戦は、必ずしも一致しません。実際によく見られるパターンを紹介します。
お子様の目標は、パターン3——英検の知識と教室で使える力の「両方」を持った状態で中学に入ることです。
英検対策「だけ」の落とし穴
英検の合格を目標にすること自体は素晴らしいことです。明確なゴールがあり、合格・不合格のフィードバックがあり、お子様にとって大きな達成感になります。
問題は、英検対策がゴールになってしまう場合です。
英検対策の塾やアプリでは、効率的に合格するために、4択問題の解法テクニックや頻出パターンの暗記に力を入れることが多くあります。これは英検に合格するためには有効ですが、「自分で文を作る力」「英語を聞いて即座に反応する力」「人前で発表する力」は鍛えられません。
英検に合格した安心感から中学入学後に油断し、「実は使える力が足りなかった」と気づくのでは遅すぎます。
両方を伸ばすには:「知識」を「使える力」に変える
英検の知識と授業で使える力は、対立するものではありません。正しいアプローチを取れば、両方を同時に育てることができます。
原則①:文法は「ルール」ではなく「ツール」として学ぶ
「be動詞の疑問文は主語とbe動詞を入れ替える」——これはルールとしては正しいですが、テスト以外では役に立ちません。それよりも、「友達のことを知りたいとき、"Are you...?" と聞けばいい」という使い場面から入る方が、知識が使える形で定着します。結果として、英検の問題も解けるようになります。
原則②:インプットとアウトプットをセットにする
新しい単語を10個覚えたら、その日のうちにそれを使って文を作る。文法を学んだら、その文法を使って友達に質問する。「覚える→使う」のサイクルを24時間以内に回すことで、知識が記憶に定着し、同時に使える力にもなります。
原則③:「本物の場面」で練習する
英検の4択問題を100問解くよりも、自己紹介を1回発表する方が力がつく場合があります。実際に英語を使って何かを達成する経験——自己紹介する、インタビューする、絵を描写する、意見を述べる——は、テストの点数にも授業の参加にも直結します。
まとめ:目指すべきは「英検 + α」
英検は素晴らしい試験であり、お子様の英語学習のマイルストーンとして大いに活用すべきです。ただし、英検合格を「ゴール」ではなく「通過点」として位置づけることが大切です。
本当の目標は、中学校の教室に入ったときに——先生の英語が聞き取れる、自分の言葉で文が書ける、クラスメートとやり取りできる、みんなの前で発表できる——「英語を使える自分」でいることです。英検の合格証は、その力がついている証拠の一つ。でも証拠の全部ではありません。
Ready Englishのアプローチ:中学校の教科書と定期テストに照準を合わせたカリキュラムで、教室で実際に必要な「使える力」を育てます。その過程で英検合格に必要な知識も自然に身につくため、英検取得も目標に組み込んでいます。授業での自信と、資格としての証明——お子様に両方を届けます。